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このページではコピー機リース契約にかかる消費税について解説します。
コピー機や複合機にかかわらず、リース契約にも消費税は発生します。税率は実際に借受が発生した日付によるため、契約期間中に税率が変動しても契約料に変更はありません。
リース契約とはリース会社が顧客の要望する製品を代わりに購入し、顧客は一定期間その製品を借り受ける形で、税務上では資産を譲渡という形になります。製品購入における消費税はリース会社が買った時点で支払っていて、リース代金の中に購入代金を含んでいます。機器購入時点で消費税が発生し、すでに税率が確定されているため、期間途中で消費税率が変わっても、リース料金に変動はないのが一般的です。
ただし、リース料金の明細が細かく設定されている場合、メンテナンス料や手数料など当月発生するとされる役務については、税率変動が適用されることもあります。
税率が適用される日は「借り受けた時点」であり、「契約日」ではありません。
直近の事例でいくと、消費税が10%に上がったのは2019年10月1日でした。仮にリース契約日が2019年9月30日で、消費税が8%のうちに締結されたとしても、借り受け開始日が2019年10月1なら適用される消費税は10%です。
同じ機器で再リース契約を結ぶ場合、2019年9月30日までにリースがスタートされているなら旧税率の適用となりました。ただし毎月払いの再リースは対象外となったため、月払いと年払いとでは税率の違いが発生。またリース会社によっては「リース契約満了通知書」による手続で、旧税率を適用する処置が取られました。
今後消費税率が変わった場合には同様のケースが起こるため、タイミングを見て契約内容を見直すのも一案です。
参照元:JA三井リース株式会社公式HP/リース契約にかかる改正消費税法上の取扱いについて
コピー機のリースには、保守サービスも含まれるのが一般的です。こちらは物品購入とは違い、その都度発生する保守作業なので、消費税は最新の率が適用されます。
コピー機のリース契約は、厳密にいうとファイナンス・リース契約です。ファイナンス・リース契約では、中途解約は原則認められていません。ただ、コピー機の購入費用といった残債を一括で支払えば、旧税率で中途解約ができる場合もあります。
違約金に対し、新消費税率が反映される基準は対価性の有無です。リース残債の増額分に対価性が認められると、消費税課税対象になり、その時点での消費税率によって計算されます。リース残債も、原則解約不可なのに解約するわけですから、対価性が認められるために消費税課税対象になるのです。
また、違約金の額は税率アップで発生する額よりも大きい場合もあり得ます。なので、消費税がアップされることを考慮した中途解約は、あまり現実的ではありません。
消費税がアップするという報道がされると、不動産や自動車などの駆け込み需要がスタートします。やはり支払額に大きく影響するため、たとえリース契約だとしても、税率変動は気になるところです。
購入費用がそもそも安価なら、2%程度のアップでも気にならないかもしれません。ただ、業務で使用するコピー機は高価ですし、複数台購入するなら累積される額は大きくなります。また、コピー機のリースでは保守代金も高くなる点も無視できません。その場合はリース会社との交渉を持つ必要があるでしょう。
保守契約料金やカウンター料金など、税率変動の対象となる項目について、担当営業と商談をもつことをおすすめします。リース契約が1台だけなら難しいかもしれませんが、複数台なら多少のディスカウントの可能性はあります。また、契約内容によっては新しいリース契約を結んだり、買取に切り換えたり、借主にとってメリットが生まれる提案をもらえるかもしれません。
コピー機のリースは消費税に影響される契約です。今後、消費税アップという話が出たら、発生するコストについて注意する必要があるでしょう。ただし、消費税は預かり金的性格を有しており、自社が支払った消費税額と相殺して「未払い消費税」として税務申告ができます。よって、税率アップの分単純に支払いが増えるとは言えず、場合によっては還付される可能性も。消費税率の変動も大切な検討事項として念頭におく必要はありますが、うかつに保守契約項目を減らしたりせず、社員が機能的に働ける環境を整えることが大切です。