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こちらでは、複合機に結露が起こってしまう理由のほか、結露が起こりやすい環境、結露防止のための対策などについて説明しています。
空気中には、一定量の水分が含まれています。そして、結露とは、空気中で許容しきれなかった水分が、水滴という形で表れる現象のことです。例えば、空気牛に含まれる水分が50%であれば、「湿度50%」となりますが、その湿度が100%をオーバーすると、空気中での許容が不可能となり、結露が発生するわけです。
複合機(コピー機)は、他のさまざまなOA機器と比較すると、かなり結露が発生しやすい構造の機器であるといえます。複合機のスキャナー部分など、使用されているガラス面の多さが問題となっているです。その部分は、どうしても複合機内部と外部との温度差が大きくなりがちなのです。
結露が引き起こすかもしれない印刷関係のトラブルは、いくつかあります。中でも特に発生しやすいのは、インクの濃さや、インクの紙への定着度などに関するトラブルです。印刷の仕上がりを確認したときに、例えばインクが薄すぎたり、あるいはインクが用紙にあまりしっかりと定着していないなどの状態が見受けられる場合には、結露を原因とする不具合が発生している可能性も否定できません。
結露によって発生した水滴は、ガラス面などの複合機本体、あるいはコピー用紙などに付着し、機器の性能にダメージを与えてしまうこともあります。中でも、ガラス面に水滴が付着すると、コピー用紙などが濡れてしまうので、要注意です。
湿ったコピー用紙は、スムーズな排紙ができなくなる大きな原因のひとつです。特に、排紙の最中に用紙が破れてしまうなどすると、その後の処理や対応がとてもやっかいですよね。
上述のような印刷トラブルや水滴トラブルなどのような、部分的な問題だけでは済まない可能性もあるので、結露には充分気をつけましょう。結露が原因となって、複合機の電源自体が入らなくなったり、あるいはタッチパネルにエラーが表示されるなどして、複合機を使用したり操作したりすることができなくなってしまうケースも珍しくありません。
複合機は精密機械ですから、故障の具合によっては、修理にかかるコストがかなり高額になってしまう可能性もあるでしょう。精密機械にとって水は天敵ですから、水である結露のリスクを再認識しておくことが大切です。
気温が低い地域では、そうでない地域よりも、複合機の結露がより起こりやすいです。その理由として、空気中の水分量が挙げられます。気温が低ければ低いほど、空気中の水分量が減っていきます。言い方を変えると「寒いときには空気中における水分の許容量が減ってしまう」ということになります。ですから、寒さの厳しい地域では、空気中の水分量がそれほど多くなくても、結露が発生しやすいのです。
日本では、北海道や東北地方は気温が低い時期が長く続くエリアです。こういった地域では、温暖な気候をもつ他のエリアよりも、実際、高い頻度で結露が発生してしまうのです。さらに、北海道や東北では、室内の暖房の温度設定をかなり高くする必要があるため、複合機にあるスキャナーなどのガラス面の部分と外気とでは、かなりの温度差が生じます。このことも、結露を起こりやすさに拍車をかけてしまう要素となっています。
建物内の窓側は、内側に対して外側の気温が下がりやすい環境です。そのため、窓側に複合機がある場合には、どうしても結露の発生頻度があがってしまいます。
結露が起きた場合には、複合機を一定の時間放置しておくと、結露が解消する場合があります。複合機自体の暖気が温度差をなくしていくため、例えば朝に発生していた結露であれば、午後までには消えるはずです。
上述の「しばらく放置しておく」方法と、理屈としては同じですが、主電源をつけっぱなしにしておくのもおいでしょう。これは、ヒーターが内蔵されている複合機に発生した結露を解消するのに、おすすめの方法です。というのも、気温が低い環境であっても、ヒーターが稼働を続ければ、結露の発生をとめられるからです。節電モードなどを使用すれば、電気代をおさえることができます。
結露発生を予防するという観点においては、ストーブなどの外部ヒーターの使用は、ぜひ避けたいところです。ヒーターで室内をあたためる場合、あたたまり方が急なので、ヒーター周囲とそれ以外の場所の温度差がどうしても広がってしまうからです。一方、エアコンを使用する場合には、部屋の中の室温が徐々に上がっていきますし、加えて除湿効果もあります。結露を予防するためには、エアコンはかなり理想的だといえます。