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リースとは、物件の賃貸借契約の一種です。リース会社が顧客に代わって販売会社から物件を購入し、顧客に対して一定期間にわたり貸与することを指します。物件とは「商品」のことで、複合機やコピー機など高価な商品を導入する際に利用されることが一般的です。
顧客からみたリース契約のメリットは、物件を購入することとは異なり、多額の初期費用は必要としない点にあります。
顧客・リース会社・販売会社の三者間でリース契約を締結したら、リース会社が物件の代金を販売会社に支払い、販売会社が顧客に物件を納品します。顧客は、物件の購入代金・手数料・金利を分割して毎月支払うことになります。
ファイナンシャルリースは、複合機やコピー機の貸与でよくある形態のリース契約です。顧客が選んだ物件を、顧客に代わってリース会社が販売会社から購入し、契約期間中にリース会社が顧客に貸与します。顧客がリース会社に支払う月々のリース料には手数料や金利が含まれるため、物件を購入するよりも費用の総額は高くなりますが、契約時に大きな予算を割かなくてよい点はファイナンシャルリースのメリットです。
ファイナンシャルリースは、契約期間満了後の物件所有権によって、さらに2つに分類されます。
所有権移転外ファイナンシャルリースとは、契約期間満了後の物件の所有権はリース会社が持ち続けるリース契約です。契約が終了したら物件をリース会社に返却する必要があります。ファイナンシャルリースの多くが、所有権移転外ファイナンシャルリースです。
所有権移転ファイナンシャルリースは、契約期間満了後の物件の所有権をリース会社から顧客に譲渡するリース契約です。契約期間満了後も物件を使用し続けたり売却したりできます。
オペレーティングリースは、契約期間満了後にリース会社に返却した物件を、リース会社が中古市場で売却したり再リースしたりすることを前提に締結するリース契約です。再利用を前提に価格を設定するため、リース料がファイナンシャルリースよりも安くなる傾向にあります。また、契約期間途中の解約が可能な契約もあります。
リース会社から貸与されている物件を、さらに別の会社に貸与するリース契約です。親会社から子会社や、取引先間で行われます。
自社で購入済みの物件を一度リース会社に売却し、ただちに同じ物件のリース契約を結ぶことです。資産の現金化を目的に利用されます。
契約期間満了後に顧客が物件を買い取るか再リースするかを選択できるリース契約です。
リース契約と保守契約の2つを同じリース会社と結ぶ契約です。複合機やコピー機は保守やメンテナンスが必要なので、メンテナンスリースが選択されることがあります。
契約期間中にリース料を変更できるリース契約です。資金に余裕がない起業直後などに用いられることがあります。
複合機・コピー機の契約で一番多いリースは、ファイナンシャルリースの「所有権移転外ファイナンシャルリース」です。契約期間満了後に複合機・コピー機を返却することになるため、手数料や金利が比較的安く設定されています。
キャッシュフローに余裕がない場合、資産を現金化したいならリースバックレンタル、リース料を調整したいなら不均等払リースを選択するとよいでしょう。ただし、支払い総額は大きく変わらないため、資金計画を立てることが大切です。
利用期間が短ければ、複合機やコピー機をレンタルすることもおすすめです。利用期間と月々の料金を照らし合わせて、検討してみましょう。
一般的にコピー機のリースは、次のような流れで行われます。
コピー機のリースには「ユーザー」「リース会社」「コピー機販売業者」の3つが関わりますが、リースの契約自体は「ユーザー」と「リース会社」のみで交わすことになります。
またリース会社と交わす契約書は、下記のような内容となります。
リース契約とは別に、定期的なメンテナンスや消耗品の補充、不具合時に対応といった「保守契約」も交わす必要があります。
このような契約を「請負契約」と呼びます。請負人(リース会社)が特定の仕事を約束し、それに対してユーザーは報酬を支払う契約です。印紙税の手数料を支払うために発行される「証票」のことで、国に対して支払う税金です。見た目は切手のようなかたちで、契約書や領収書などの経済的取引に伴う書類に貼付します。
支払い対象で身近なものとしては、支払金額が5万円以上の領収書が挙げられます。そのほか保険証券や約束手形、企業間契約書など、20種類の課税文書に対して必要となる証票です。
「ユーザー」と「リース会社」で交わすリース契約書には、収入印紙を貼る必要はありません。なぜなら、この2者間の契約は賃貸借契約となり、動産(コピー機)の賃貸契約書は印紙税の非課税文書となるからです。
請負契約となる保守契約書には、収入印紙を貼る必要があります。印紙税法が定めた課税文章の中には、請負に関する「2号文書」と、継続的取引の基本契約となる「7号文書」というものがあるためです。
2号文書か7号文書か、どちらの扱いになるかは、下記のように見分けられます。
コピー機リースの保守契約書の多くは、2号文書のタイプとなります。
リース契約の種類や特徴を解説しました。上記を参考に、複合機・コピー機の導入方法を検討してみてください。