公開日: |更新日:
企業にとって、不要な経費というのは、可能な限り削減したいものですよね。書類や資料のプリントにかかる費用も、そのうちの一つです。一枚一枚は安くても、大量に印刷をする場合、カウンター料金も馬鹿になりません。
そんな中、最近注目を集めているのが、コピー機・複合機の定額サービスです。その名の通り、月額料金のみで好きなだけプリントをすることができるというサービスで、印刷にかかる経費を削減できると、導入する企業が増えています。
しかし、定額制は本当に一般的なリース契約よりもお得なのでしょうか?詳しく比較していきます。
冒頭でも簡単に紹介しましたが、複合機・コピー機の定額サービスとは、一定額の料金を毎月支払うことにより、印刷し放題になるというサービスです。完全無制限の契約もあれば、基本料金が安いかわりに、○○枚まで無料といった形で、上限枚数が定められたプランも存在します。
定額と聞くと非常にお得に感じられるかもしれませんが、もちろんデメリットもあります。
1つ目に海外製の安いインクを使用していること。国内純正のインクは高額なので、コストを抑えるために、海外から廉価なインクを大量に仕入れて使用しています。
2つ目に、コピー機・複合機自体のスペックが低い傾向にあること。基本的にインクジェットタイプになるため、印刷の精度はレーザータイプに比べ、かなり劣ります。また、印刷速度も分速20枚程度の低速のものが一般的で、月間印刷枚数が3,000枚以上の場合には、スペック不足になる可能性も出てきます。
さらに、売りであるコストに関しても、必ずしもお得とは限りません。
定額制と一般的な業務用リース契約、どちらがお得なのかをシミュレーションしてみましょう。月間印刷枚数500~枚程度のスペックのコピー機・複合機の場合、それぞれの月額料金相場は次の通りです。
定額サービス | 約15,000円 |
---|---|
月額リース | 約10,000円 + カウンター料金(白黒1.5円/枚、カラー15円/枚) |
毎月の料金差額が5,000円もありますが、元をとるためには、白黒だけなら3,333枚、カラーを200枚刷ったとしても、さらに白黒を1,333枚刷らなければ、元がとれません。
インクジェットで印刷品質が悪いことも考えると、どんな事業所でも、必ずお得という訳ではなさそうですね。月間3,000枚以上刷るような場合には、定額サービスの方がお得になってきそうですが、デメリットで解説した通り、定額サービスのコピー機・複合機はスペックがそこまで良くないので、推奨印刷枚数としてもギリギリといったところでしょう。
では、定額サービスに全くメリットが無いのかというと、そんなことはありません。用途次第では、非常にお得に使うことができます。
定額サービスが特におすすめなのは、カラー印刷を大量に行い、そこまで印刷品質にはこだわらないという企業です。上のシミュレーションでも、カラーなら300枚ちょっとで元が取れますよね。社内でカラーの資料を刷る機会が頻繁にあったり、宣材として、カラーのチラシやPOPを大量印刷したりする場合、定額サービスの導入によって、大幅に経費を削減できるかもしれません。
一般的には、定額=コストパフォーマンスが良いというイメージが強いかもしれません。しかし、コピー機・複合機の場合には、一般的なリース契約と定額サービス、それぞれに一長一短があり、使い方に合わせて適切な選択をすることが重要といえるでしょう。定額サービスの利用を検討している方は、まずは毎月のカウンター料金込みのリース料金を確認し、定額サービスとどちらがコストを抑えられるか、比較してみてはいかがでしょうか。